「Montreux Summit Vol. 1」は2枚組だったけどこちらは1枚。しかし選外曲集というわけではありません。ゲッツは2曲参加。「Red Top」「Night Crawler」の2曲。
「Red Top」はブルーノートを除外したコーラスなどアレンジが美しくかっこいい。ゲッツとデクスター・ゴードンのトレード(ブルースの1コーラス交換)、ウディ・ショウとメイナード・ファーガソンのトレードが聴ける。ゲッツのソロはけっこうワイルドで、非常に新鮮な感じ。そのあとにゴードンが登場するんだけど、単独ソロスペースはなくゲッツのとのトレードのみなんです。もしかしたら編集がされているのかもしれない。だって当時のCBSの2大テナースターでしょ。
「Night Crawler」は「Montreux Summit Vol. 1」と合わせてこのシリーズで唯一ゲッツがスイング以外のビートでソロをしているトラック。ビリー・コブハム、アルフォンソ・ジョンソン、ボブ・ジェームスというフュージョンのリズムセクションだからやっぱりこういうビートでのゲッツとの共演も聴いてみたいよね。いわゆる一発モノ、1コードの単純な曲なんだけど、よく考えるとゲッツの一発モノは珍しい。いかにもゲッツらしいフレーズが快調で、なんとなくルパン三世の「マグナム・ダンス」に似た雰囲気で、楽しく聴けます。