スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Stan Getz And The Lighthouse All-Stars

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ゲッツは1953年5月の後半から9月まで、西海岸で過ごした。だからこの時期には西海岸録音が固まっている。スタジオ盤では「More West Coast Jazz」「Norman Granz Jam Session 3」や「Stan Getz '57」など。そして合間に急遽決まったライブに参加したりした。このアルバムのほか「West Coast Live/Chet Baker & Stan Getz」など。

CDは2枚組26曲入りだけど、ゲッツ参加は5曲だけ。「え?CDには6曲に参加してるって記載されてるけど?」と言う人もいるでしょう、実はうち1曲は不参加、記載ミスです。

とはいっても、ショーティ・ロジャースやシェリー・マン、ジミー・ジュフリーなど西海岸のスターが多数参加。ほかにもハンプトン・ホウズ、メイナード・ファーガソンなど、ウエストコースト・ジャズが好きな人にはたまらないメンバーの録音。

 

1曲目の「I Only Have Eyes For You」でゲッツはリラックスした貫禄あるソロをとる。続いて「Jive At Five」はゲッツとボブ・クーパーの2テナー。ヴァイヴとバリトンサックスのソロを挟んでの聴き比べだけど、やっぱりゲッツのほうが上なのは明らか。このほかにもゲッツとクーパーの2テナーのテイクがあります。ただし、録音バランスがわるくフロントが埋もれてリズム・セクションがかなり前面に出ている感じ。ぼーっと聴いているとジュフリーのバリトンがいつの間にかゲッツになっている。それほどフロントが聴きづらい。

「Moonlight In Vermont」は、なんとゲッツでなくジュフリーのバリトンがテーマを取る。アルバムのパーソネル表記にはゲッツの名前が書かれているのに。そう、記載ミスはこの曲です。「Moonlight In Vermont」と言えばゲッツの1952年の録音こそ有名、なぜ?観客はこれで納得したの?

 

それにしても、シェリー・マンのドラムといいラス・フリーマンのピアノといい、こんな典型的なウエストコースト・ジャズでのゲッツは実はわりと珍しいと思う。アルバム「West Coast Jazz」はウエストコースト・ジャズのスターが参加していたけどやっぱりゲッツのジャズになっていた。どちらがホストかということで音楽の質が変わるね。そういうことからも、ゲッツは「いわゆる」ウエストコースト・ジャズのミュージシャンでないことがわかる。

 

Stan Getz and the Lighthouse All-Stars Live
Stan Getz and the Lighthouse All-Stars Live