スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Groovin' High

f:id:torinko:20201103143432j:plain

1947年の録音。ゲッツは3曲参加している。アルバムタイトル曲に参加していないという、ちょっと意味不明の部分もありますが。

 

「Body and soul」ではすでに落ち着いた後年のようなプレイを聴かせている。このときまだ20歳ですよ。すごく大人の演奏なんですけど。ゲッツはまだスターではなく、8小節しかソロをもらえない。この5年後には「Stan Getz Plays」で、同じ曲でジャズ史上に残るほどの名演を聴かせることになるんですけどね。

「I got rhythm」は、ゲッツの前にソロをとるチャーリー・シェイバースとは明らかに違ったフレージング。シェイバースはすでに人気プレイヤーだったから大きな拍手をもらうけど、ゲッツは心なしかそれほど拍手がないような気もする。ゲッツフレーズの片鱗はあるけど、このテンポの曲は確かにまだそれほど上手ではない。

そして「How high the moon」はお気に入りなのかアガっているのか、やたらと同じフレーズを繰り返すゲッツ。

この4年後には伝説的な「Stan Getz At Storyville」を録音するわけだけど、意外なのはフレーズの置きどころが4小節単位に縛られていて、いわゆるレスター・ヤング的でなくコールマン・ホーキンス的という感じのところ。ギタリスト八幡謙介氏の「逸脱理論」で言うなら逸脱ができていない状態。それはゲッツ参加外トラックのワーデル・グレイの方が顕著ですけどね。

とはいえ、そんなに悪いわけではない。このアルバムは「若いゲッツがブロー」などというキャッチフレーズとは違う、じゅうぶん後年のゲッツらしさが聴けるアルバムです。