スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

70年代

The Master

録音したのはフュージョンもやっていた1970年代なのに、なんの工夫もなく単なるカルテットでバリバリ吹きまくっているというアルバム。それがまた素晴らしい。骨太のゲッツが伝わってくる。全4曲。いかにも硬派なジャズ。地味な印象ながらかなり上位に来る傑…

Utopia

「Poetry In Jazz」に似ていて違うアルバム。「Poetry In Jazz」と比較して、録音状態はわるくてもバランスはわるくない。選曲もアンディ・ラヴァーンの曲は2つに抑えているのがよかった。パーカッションも多彩ながら目立たず、一息つける。ゲッツはむしろ…

Sweetie Pie

貴重な音源が詰まったコンピアルバム。冒頭「Sweetie Pie」は前半はルーストのスタジオ録音そのままで、フレーズも使い回しなんだけど、ゲッツがやたらと長くソロをとっていて、後半は聴いたことのない(あたりまえなんだけど)フレーズが登場、けっこうおも…

Children Of The World

極上のフュージョン。 というと、絶対に聴きたくないという人とぜひ聴きたいと人が出てくる。とにかくすばらしいアルバム。ただしジャケットのイメージの音楽ではありません。 評伝には、「冴えない出来のラロ・シフリンをバックにつけられてゲッツは不満だ…

Jazz At The Santa Monica Civic '72

ノーマン・グランツによるいつものジャムセッションみたいなものなんだけど、CD3枚組でもまったく飽きさせない。特に素晴らしいのがエラ・フィッツジェラルドだけど、今回はゲッツの話だけにしておきます。 ゲッツはJATPオールスターズとしての5曲に参加…

Affinity

英文ライナーを読むと、妻のモニカの兄弟ピーター(ペーテル?)のホームパーティでゲッツがセッションしたものをたまたま録音していたというもの。1977年9月20日の録音。これはもう、よくぞ発表してくれました、という内容。とにかくゲッツがリラックスして…

Complete Live At Montreux 1972

映像作品も出ている、あの「Captain Marvel」のライブ盤ともいえるアルバム。もともとCDではめちゃくちゃな曲名で「Portrait」として発売されていました(ちなみにDVDとは曲順が違います)。 スタジオ録音と違ってアイアート・モレイラがいないのは幸か不幸…

With European Friends

ブートレグの1つではあるものの、演奏内容はすばらしい。欧州時代のゲッツは手抜きがなかったと言えるかも。このころの欧州セッションでは、ゲッツはストップタイムが好きでけっこうやっている。このアルバムも1曲目2曲目と連続してストップタイムがある…

Newport In New York '72

いろんなジャケットがあるようですが、私の持っているバージョンは下のこれです。 72年のニューポートジャズフェスティバルの録音で、CD3枚組。もとはLP5枚だったのかな(6枚?)。とにかくすごいメンバー。ゲッツのほか、ディジー・ガレスピー、クラー…

The Best Of Two Worlds

60年代の共演盤よりパッとしない印象があるかもしれないけど、ポップスとしての完成度はこちらも負けていない。変にストイックなものを求める必要はない。ボサノヴァのスタンダード曲は収録されていないけど、名盤だ。なんとこれがゲッツのコロンビア移籍後…

Montreux Summit Vol. 2

「Montreux Summit Vol. 1」は2枚組だったけどこちらは1枚。しかし選外曲集というわけではありません。ゲッツは2曲参加。「Red Top」「Night Crawler」の2曲。 「Red Top」はブルーノートを除外したコーラスなどアレンジが美しくかっこいい。ゲッツとデクス…

Montreux Summit Vol.1

とにかくすごいメンバー。ビリー・コブハムにアルフォンソ・ジョンソン、ジョージ・デューク(これでコブハム・デューク・プロジェクトのリズムセクション!)ボブ・ジェームス、エリック・ゲイル、スティーブ・カーンにヒューバート・ロウズ、デクスター・…

Havana Jam 1

1979年にキューバで行われたイベント。とんでもなくすごいメンバーが参加していることはここでは触れず、ゲッツの話をします。この「Havana Jam」は「1」と「2」があり、こっちは「1」。ゲッツについては、こっちには1曲参加、「2」には3曲参加というこ…

Jazz Collector Edition

すごく不思議なアルバム。この、いかにも千円盤のようなダメジャケットと、録音データ不記載ということもあり、明らかに海賊盤という印象w ところがこのアルバム、とんでもなくよい。全部で3つのセッションなんだけど、最初の4曲のアレンジが丁寧で秀逸。…

My Foolish Heart: Live At The Left Bank

超弩級の発掘音源。楽器の音量バランスが良く、これが発掘音源とは信じられないくらい。ブックレットの裏表紙や中には子どもたちとの写真があり、それがまたレアで良い。ま、たまにキレて子どもをも殴っていたDVっぷりだったんだけど。CDには「1975年録音」…

Poetry In Jazz

ジャズ批評では批判的な評価だけど、そんなに悪くはない・・・と思いたい。ゲッツ自体はこのバンドフォーマットの他のアルバムより良いプレイをしているので。 音質はけっこうクリア。ただ、録音バランスが悪すぎて、パーカッションの音が大きいわりにベース…

Dynasty

私が持っているのは↑こっちのジャケットですが、たぶん当初発売のオリジナルはこっち↓なのでしょう。ヘタな合成写真だけど。 編成はおもしろいんだよね。オルガントリオとゲッツという組み合わせは珍しいので(ブートのライブ盤含めるとわりとあるんだけど)…

Live at Newport Jazz Festival 1972 /Woody Herman & His Thundering Herd

ディスコグラフィーではゲッツが4曲参加ということになっているけど、うち2曲ではソロは聴こえない。この当時でゲッツにアンサンブルだけさせるということはあり得ないので、ディスコグラフィーの誤りだと思います。ゲストとして特定の曲名のみ参加というこ…

Another World

フュージョンタッチの曲とメインストリーム系が混在しているアルバム。レコードでは2枚組なんだけど、コロンビアの経営陣はこれが売れると判断したのだろうか?評伝には「電子楽器を使わせられて、ゲッツはコロンビアに不満を持っていた」と書いてあるけど、…

Stan Getz - Rene Thomas Quartet / Live In Loosdrecht 1971

ゲッツを好きだといってもあまり深く知らない人は、初めてこの頃のオルガンカルテットを聴くとびっくりするでしょう。いくつか録音が残っています。 このライブ盤、初めて聴いたときはゲッツが手抜きしているなあ、という印象でした。2度目に聴いてみるとそ…

Jean-Luc Ponty With Kurt Edelhagen & His Orchestra

ゲッツが1曲参加しているというアルバムで、とにかく音質がわるい。「これは本当にゲッツなの?」と思うくらいの音質で、たまにゲッツフレーズらしいのが出てくるけど、疑わしさは残る。ウディ・ハーマン楽団での客演と比べるとそのゲッツフレーズもとって…

But Beautiful /Stan Getz & Bill Evans

1970年代のビル・エヴァンスは美の極致。そこにゲッツが加わるのだからわるいわけがない。このアルバムはベルギーでのライブ録音。マスターが行方不明になったのか権利関係かわからないけど、ライブから18年後にようやく陽の目を見ました。こんなに素晴らし…

Moments In Time

同時に発売された「Getz/Gilberto '76」と違い、こちらはゲッツのカルテットが存分に演奏している。ジョアン・ブラッキーンもガンガン弾いている。もっともブラッキーンのピアノはそんなにいいものではないけど。 1曲目、スタジオ盤「The Master」でしか聴け…

Getz/Gilberto '76

ジャケットはきれいでまるで発掘モノでなくオリジナルアルバムのような色どりですが、海賊盤のエアチェックなのでしょう、録音はゲッツとジョアン・ジルベルトだけ大きくてあとは目立たない。サーッというノイズも気になるところ。前年のスタジオ盤「The Bes…

I Wanna Play For You /Stanley Clarke

これ、かなり好きなんですよ。1曲だけゲッツが参加。ベースのスラップによる西海岸AOR風イントロで、ポップなボーカルナンバーが始まる。広大なアメリカ大陸が目の前に見えてきます。スラップベースにひたっていると・・・ん?なんともいえない音色の楽器が…

Live In Stockholm 1978

同内容の映像作品も出ているけど、音楽に集中するならCDの方がいい。映像を見ることで、実は不思議なシチュエーションでのライブだということはわかりますが。 ゲッツが愛し、ゲッツを愛するストックホルムで、急遽決まったライブでしょう、ゲッツが共演者の…

The Peacocks

このアルバムはサブタイトルとして「Presents Jimmie Rowles」とある。ゲッツがジミー・ロウルズを紹介するという趣旨か。ロウルズはピアノとヴォーカルを担当しているほか、ロウルズの作曲としてアルバムタイトルにもなった「The Peacocks」も収録されてい…

Monterey Jazz Festival 1979 /Woody And Friends

ゲッツは「What Are You Doing The Rest Of Your Life」にのみ参加。ほかのゲッツ不参加曲も良く、「Manteca」とかもすごくかっこいいのだけど、ここでは割愛します。 オーケストラをバックに、スローにゲッツがアウフタクトからテーマを吹く。もともとミシ…

Captain Marvel

硬派なジャズファンの間で「ジャズが好き」といって、「スタン・ゲッツが好き」といったら、「君は何もわかっていない」といわれる。 スタン・ゲッツのファンの間で「キャプテン・マーヴェルが好き」といったら、「おまえは何もわかっていない」といわれる。…