ひところ入手困難となって幻の名盤扱いされたアルバム。レーベル自体がマイナーだったしね。確かに内容は抜群で、マストアイテムの1つでしょう。なんとこのアルバム、「ゲッツが初めて最後まで素面で作った最初のレコード」なんだとか。かなり疲れたようで、実際、録音順はわかりませんが最後のタイトル曲「Voyage」でのテーマの吹き方はかなりヘトヘトになっています。しかしソロになるとのってきて、長めにソロを取ります。
レパートリーとしては、1987年のモンマルトルライブで聴ける曲が多い。でも「 I Thought About You」も「Falling In Love」もライブ盤のほうが出来が良い気がする。それでも超名曲「Falling In Love」のスタジオ録音が聴けるのはうれしい。ゲッツのバラードの中では最も好きな曲です。この曲、コード進行が難しいんですよね、何度か演奏しましたが、なかなか簡単にはいかないです。
ほかの曲の話をしましょう。1曲目の「 I Wanted To Say」は、なんとドラマーのヴィクター・ルイスの曲。聴いているとそんなにいい曲とも思えないんだけど、実際に演奏してみるとすごくおもしろい曲。ちゃんとわかって作っている曲だなと思う。演奏してみるとおもしろいという点では「Voyage」も、まさにそう。実際に演奏してみるとブリッジの転調が1小節ずつずれているところがやりづらくておもしろい。ここが初演の「Voyage」は、まさにいい意味での典型的なジャズマンのオリジナルで、アドリブ素材として優れています。
「Dreams」はケニー・バロンの曲でも一番つまらない曲かもしれない。それなのにやたらと長いトラックなんだよね・・・
再発でない昔のCDにはボーナス・トラックとして同じセッションの「Just Friends」が追加収録されていた。これも追加のくせに10分近くあるw しかし内容がすばらしい。単に長すぎたから落とされただけだと思う。でも「Dreams」よりこっちの方がいいのに。だいいち、歌伴以外のゲッツの「Just Friends」ってこれだけじゃないかな?どちらも同じ10分くらいのテイクだから、「Just Friends」を入れればよかったのに、といつも思う。
- アーティスト: Stan Getz,Kenny Barron,George Mraz,Victor Lewis,Babatunde
- 出版社/メーカー: Black Hawk
- 発売日: 2009/03/07
- メディア: CD
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