スタン・ゲッツを聴く

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The Stockholm Concerts /Stan Getz & Chet Baker

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チェット・ベイカーとの北欧ツアーで、「Quintessence」の前日の録音。こちらはスウェーデン、あちらはノルウェーのライブ。ついでにいうと、こちらはCD3枚組、あちらは別売りで2枚というボリューム。

CD3枚組だけど、内容は2月18日の2回のライブをおさめている。ちなみにDVDも発売されています。それぞれ前半はゲッツのカルテットによる演奏で、後半にチェットが参加するというかたち。基本的には「Quintessence」と同じだけど、わりとチェットも調子が良く、難しめの曲を「え、この曲そのまま参加しちゃうの?大丈夫?」と思っていてもしっかりこなす。

「Just Friends」のバップスキャットと打ち合わせ不足によるイントロ&エンディングは必聴。前者は単におもしろいというだけだけど、後者はいかにもジャズという感じ。そうなんですよね、ほかにも「なんとなく終われない」というスタンダードあります。このアルバムとは関係ないけど、私は「But Not For Me」をイマイチうまく終わることができない。

このアルバムが「Quintessence」と大きく違うところは、名曲「The Baggage Room Blues」(なんとあのアレック・ワイルダー作曲!)や、あの超マニア向け曲「Milestones」をやっているところ!「Milestones」といい「Sippin At Bell's」といい、1953年の二人の共演では「Little Willie Leaps」「Half Nelson」を演奏しており、チェットはマイルス・デイビスの初リーダーセッションに何か思い入れがあるのかなと思う。とにかく、これはすばらしいことです。ゲッツの、「Milestones」での落ち着いたソロの入り方は鳥肌が立つ。

それと、ここでの「Stella By Starlight」は、また誰もやらないようなキーで演奏している。「Stan Getz plays」とも「Anniversary」とも違うキー。その割には「Autumn Leaves」は一貫してCマイナーだったかな。それはそれで一般的でないキーなんだけど。

80年代のゲッツは音色が充実していて、できればすべての録音を聴いてみたいところ。はっきりいって、チェットは不要、とにかくゲッツを聴くべし。

 

Stockholm Concerts

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