ノーマン・グランツのジャムセッションシリーズ。バラバラでCD発売されているようだけど、CD5枚組のコンプリート盤のほうがお薦め。
ジャムセッションシリーズは9まであるんだけど、ゲッツが参加しているのは#3と#4。
ここではカウント・ベイシーがピアノで参加している。なんとフレディ・グリーンまで参加しているのだから笑ってしまう。ちなみにドラムはバディ・リッチ。うーん、これはどうなんだろう。フロントには、ハリー・エディソン、バディ・デフランコ、ベニー・カーター、ウィリー・スミス(あのライオネル・ハンプトンの「Stardust」でテーマを吹いていた人です)、ワーデル・グレイ。
さて、A面「Apple Jam」、ここでのゲッツはなぜかゲッツらしくない。「参加している」という事実を知っているからゲッツらしく聴こえるけど、知らないで聴いたら「あれ?このテナー、なんとなくゲッツに似ているところもあるなあ」という程度。音色もちょっと違う気がする。録音の関係もあるのだろうけど。ソロのフレーズはかなり素晴らしいのだけど。
レコードB面のバラードメドレー、ゲッツは「Willow Weep For Me」なんだけど、ちょっとファンには不満。なぜなら「More West Coast Jazz」で聴かれるスローな絶妙なテンポでなくちょっと速めで曲想が合わないことと、この曲がABA形式であるためほかのバラードより8小節少ない、つまりゲッツの演奏が短いから。
それにしても片面1曲ずつのレコードというのが、60年代後半でなくこの時代からあったことが、ジャズのおもしろさを証明しているようでうれしいです。