スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

The Steamer

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とにかく名盤。派手さがないものの、大傑作だと思います。

1曲目「Blues For Mary Jane」が、さっそくシブくまったく派手じゃないけど、とにかくゲッツが延々と絶好調なソロを展開する。ボーッとしてるとこのプレイの凄さに気付かずに終わりますので気を抜かずに。

これはすごいと思っていると続いて「There Will Never Be Another You」がまたすばらしい。参考になるフレーズが多すぎて、これはトランスクライブ向きです。ゲッツのメロディが止まらない。興味深いのが、過去に録音した「Split Kick」とアプローチが全然違うということ。ともするとコードが同じ曲は、私たちアマチュアは同じアプローチになってしまいますが、ゲッツはテーマに合わせたソロを展開するのだから、素晴らしい。

さらにバラード「You're Blasé」。まるでゲッツのために書かれたと思うほどの名演。エラ・フィッツジェラルドの歌伴で知ったと思われるこの名曲、ゲッツ以外の演奏は聴いたことがないけど、80年代のライブ盤「Spring Is Here」でもいい演奏を残している。ある意味、ゲッツのバラード美の極地。全ては最初の2音に凝縮されている。

 

もうこれは無条件降伏しかないなあと思っていると、後半は「Too Close For Comfort」「Like Someone In Love」と、申し訳ないけど気を抜くことができる曲が続く。ソロは前半と同じく良いけど、テーマがちょっとずっこけるでしょ、この2曲は。

そうはいっても最後には「How About You?」。たたみかけるようなゲッツのフレーズがすばらしい。そういえばこの曲も「Spring Is Here」に収録されていたなあ。

 

The Steamer + 6

The Steamer + 6