スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Sittin' In

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ノーマン・グランツのテキトーさがよく表れたアルバム。テナー3人のバトルにするのはいいけど、そこにディジー・ガレスピーも追加してしまったから単なる寄せ集めの印象が強くなってしまった。個人的にはガレスピーは好きだからいいけど、当初はレアだったゲッツとの共演もこの頃は食傷気味ですよね。

加えて、バラードメドレー2曲とアップテンポ2曲という、何も考えていないような構成。かなりその場の勢いだけで作ったという感じ。

私はゲッツファンだから当然ゲッツがもっともいいプレイをしていると思うんですけど、我慢できないのがコールマン・ホーキンスアーティキュレーションがめちゃくちゃでタンギングがまともにできていない。アップテンポの曲ではそれもあってふにゃふにゃした演奏になっている。実際ヨレているところもあり、いただけない。

じゃあバラードならいいかというと、長い音符がなくフレーズすべてにブツ切り感、物足りなさが残る。昔はすごかったのかもしれないけどこの頃はとても聴いていられない。ちなみにレスター・ヤングも50年代以降のプレイは情けなくなるものしかない。

アナログB面のバラードメドレーはフツーにミディアムテンポで、まったくバラードじゃないw それもあって、いつものバラードメドレーと違い1人2コーラスも吹いている!

ラストの「The Way You Look Tonight」ではポール・ゴンザルベスが迷子になっている。こういうのをそのまま発表するところがジャズの素晴らしさだけど、私だったら恥ずかしくて録りなおしさせてもらうでしょう。

シッティン・イン

シッティン・イン