スタン・ゲッツを聴く

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Live At Newport 1966 / Hollywood Bowl 1986 Woody Herman

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ウディ・ハーマン楽団の1966年と1986年のライブを収録したもの。この頃は往年の鋭さもなく、ゲストと新人アレンジャーでなんとか客を集めていたのでしょう。

 

1966年のコンサートの方は2曲。お約束の「Four Brothers」と「Early Autumn」です。いつもこの2曲でまたか、とも思うけど、「Four Brothers」はややテンポが落ちていて聴きやすい。ゲッツのソロは手抜き風。

「Early Autumn」はオケのバランスが取れていないので、聴いていて違和感がある。低音パートが目立っているんです。ゲッツはなんだか調子が悪いような演奏。1972年の同じくウディ・ハーマン楽団客演時の方がいいプレイをしている。

 

1986年のコンサートの方は3曲。お約束の2曲がないのが以外です。そういえば1981年の「Live At Concord Jazz Festival」でもこの2曲はやってなかった。80年代のハーマン楽団は方針を変更したのか、聴衆の年齢層が変わって昔のレパートリーはウケなくなったのか、ゲッツがウンザリして別の曲を申し出たのか。

さてここでは当時のゲッツのレパートリー「Easy Living」を骨太にキメて、続いて80年代のゲッツと言えばこれ、という「Dolphin」に続く。これがテンポ設定が速すぎて、曲のもつ雰囲気をぶち壊している。たまたま速くなってしまったのでなければ、アレンジャーは繊細さをまったくわかっていない。名曲なのにね。ゲッツもしっかりソロをとるものの、ちょっとヤケクソ気味か。間に挟まるリフも無粋で、ひと頃のボサノヴァをまったく理解していなかった時代のアメリカ人という感じ。アレンジャーはレベルが低い。金管が目立つオケでやる曲ではないね。何より、タイトルとクレジットが間違っているのが気にいらない。「El Delfin」って、スペイン語?クレジットのManos Loizosって誰?作曲者はルイス・エサですよ。

しかし続いて演奏される「Legacy」はかっこいい。曲想はこの時期のゲッツのスタイルにマッチしていて、かなり良い演奏。オケはゲッツをばっちりと盛り上げている。

Woody Herman Live At Newport 1966 / Hollywood Bowl 1986

Woody Herman Live At Newport 1966 / Hollywood Bowl 1986