スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Jazz Collector Edition

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すごく不思議なアルバム。この、いかにも千円盤のようなダメジャケットと、録音データ不記載ということもあり、明らかに海賊盤という印象w

ところがこのアルバム、とんでもなくよい。全部で3つのセッションなんだけど、最初の4曲のアレンジが丁寧で秀逸。「Yesterday」のリハモ、「Old Folks」でのアイデアがすばらしい。「Song Without Words」はフュージョン風ライトサンバ。メロディが初期チック・コリアそのままなんだけど、クレジットを見ると「チャイコフスキー」と書いてある。クラシックの「無言歌」という種類の小品だそうで、チャイコフスキーはいくつか作曲してるみたい。クラシック曲のアレンジにしては完全に70年代フュージョン

真ん中の3曲はいろんなCDに入っている50年代の北欧ライブ、ゲッツファンは聴き飽きているもの。そして最後の2曲はドイツの「The Kurt Edelhagen Orchestra」という楽団との共演です。アルバムに記載されている曲名はデタラメです。「Stan's Tune」は聴いていみると「Con Alma」で、この曲にしては奇跡的に短くなっているw「Blues In Suburbia」は全然ブルースではありません、これは「Live At Sir Morgan's Cove 1973」のボーナス・トラックではモーズ・アリソンの「Meadows」とクレジットされています。アリソンの演奏は聴いたことありませんが、ブルースでない時点でこちらの方が正しいような気がしますね。とはいえ、アリソンの曲にしてはやけにモダンなんだけど。

ところで、このドイツの楽団(読めません・・・)とは、この1971年代後半、ドイツツアーに出ていたようですね(評伝には1971年末まで例のオルガン入りカルテットをやっていたと書かれていますが)。ここに収録されているのが諸説あるも10月23日のドイツのケルンでのライブ、それから「Live At Sir Morgan's Cove 1973」にボーナストラックとして収録されている4曲が10月26日ドイツのハノーファーでのライブです。2曲ともレパートリーが重複しています。