すみません、実は当初はこのアルバム好きじゃありませんでした。だってビッグバンドでボサノヴァですよ?違うでしょ、これだからアメリカ人は、という印象でした。実際聴いてみてもまだアメリカ人だけで間違ったボサノヴァをやっている時代だし、「Chega De Saudade」の冒頭とか「Manhā De Carnaval」の冒頭とか「ああやっぱり違う」という思いしかなかったんですけどね。
それが時間をおいて、一度あきらめて納得してから聴いてみると、これはこういうサウンドだとわかって聴いてみるとすごく良い!ボサノヴァの有名曲よりゲイリー・マクファーランドによるオリジナル曲が良いです。むしろボサノヴァ曲はやっぱりオーケストラとは合わないのでいまいちでしょう。ボサノヴァとして期待して聴かず、ゴージャスな南半球風のリズムによるビッグバンドジャズを期待して、ぜひ聴いてみてください。ボサノヴァブームの中その路線で失敗した似非ボサノヴァアルバムはたくさんありますが、こちらはそんなことありません。根強い人気があるマクファーランドが非常に優れたミュージシャンであることもわかります。
今のCDには、あのマニアのみ知る「Stan Getz Orchestra」名義の「Theme From Dr. Kildare」も追加収録。これはおいしい。
- アーティスト: スタン・ゲッツ&ゲイリー・マクファーランド,クラーク・テリー,ボブ・ブルックマイヤー,ジム・ホール,ハンク・ジョーンズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/04/05
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る