スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

The Sound

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このアルバムは、やはりB面の北欧録音の人気が高いのでしょう。なんといっても「Dear Old Stockholm」のジャズ初演だから。アナログでいうA面とB面の温度が全然違う、ジャズ批評には「空気が変わる」と表現されていたと思います。

ゲッツ、初のスウェーデンストックホルム訪問で、このB面を録音しました。バリトンサックスを入れた2曲は一旦未発表となり、後年「「Dear Old Stockholm」というコンピレーション・アルバムというか発掘音源として発売されます。

それにしても、このストックホルム録音の選曲もおもしろい。「Standanavian」は別名「S'cool Boy」。どちらのタイトルもダジャレかな。ゲッツとピアノのベンクト・ハルベルクの共作とされてますが、ゲッツはあまり関わっていないでしょう。

「Prelude To A Kiss」ではテーマの前半をピアノがソロで弾きブリッジからインテンポになりゲッツが入ってくるというパターン。はい、わかりますよね、「Without A Song」の、あの超名演と同じパターンです。アルバム「Stan Getz In Stockholm」に収録されてましたね。タイトルどおりそれもストックホルム録音、さらにピアノとベースは今回と同じです。このアレンジはハルベルクのアイデアなのかな。

「Dear Old Stockholm」は、マイルス・デイビスによる同曲のようなアレンジはされていないので、そっちを聴きなれたひとにとってはちょっと物足りなく思えるのかもしれないけど、やたらとバップらしさを強調していないストレートな演奏はやっぱり良いと思います。

「Night And Day」はちょっとせわしなく、いかにもSP盤録音らしくもっと盛り上がってほしいと思っている間に終わってしまい、残念。ちなみにここでのストックフレーズを、ラストレコーディングである「People Time」での同曲でも使っています。

そしてスイングの名曲「I'm Getting Sentimental Over You」なども珍しい選択。

 

ザ・サウンド

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