スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Scrapple From The Apple

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1952年、ライトハウスでのライブ。西海岸のライブと言えば、ライトハウスやヘイグが有名。テナーサックスは2人参加。アルバムタイトル曲「Scrapple From The Apple」、2013年の日本語ライナーには「最初のソロはゲッツ」と書いてあるんだけど、フレージングやストック、途中で少しアウトするところなどどう聴いても後から出てくる方がゲッツです。ちなみにここでの演奏はブリッジ部分のコード進行を変えています。通常はⅢ7→Ⅵ7→Ⅱ7→Ⅴ7だけど、ここではⅠ7→Ⅳ→Ⅱ7→Ⅴ7に。

2曲目「Love Me Or Leave Me」は、ゲッツの演奏は珍しく、このアルバムのほかは同じくライトハウスでの1953年のライブ「Stan Getz And The Lighthouse All-Stars」でしか聴けないのではないか。そういえばこの曲はジェリー・マリガンのピアノレスカルテットでも演奏してたし、この頃(西海岸で?)流行っていたのだろうか。

それにしても、「Stan Getz plays」と同じ年の録音とは思えない、音質がわるいからか雰囲気が全然違う。同年のバードランドでのライブ録音とも違う。「Stan Getz plays」は12月、こちらは9月の録音。

管楽器奏者が4人もいるのに重厚感がなく、ちゃんとしたライブというよりはやっぱりセッションの延長のようなんだけど、セカンドリフがあったりハーモニーアンサンブルがあるというのは西海岸の特徴なのかな。たぶんその場でスコアをもらって演奏したのだと思う。あと、ピアノがハンプトン・ホーズというのは珍しい。ゲッツとの共演はほかにないんじゃない?

それにしても、観客のノリがいかにもライトハウス的で、少々ついていけないような気もするアルバムです。ウエストコーストはスタジオ録音も独特のノリがある。スタジオ録音なのに「Hey!」とか掛け声しまくるじゃないですか、1952年とか1953年のウエストコーストものって。

スクラップル・フロム・ジ・アップル・ライヴ・アット・ザ・ライトハウス 1952

スクラップル・フロム・ジ・アップル・ライヴ・アット・ザ・ライトハウス 1952