スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Birth Of The Cool Vol.2

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これはけっこうレアですよ。コンピレーションアルバムなんだけど、ショーティ・ロジャースの録音とジェリー・マリガンの10人編成バンドの録音(これがまた最高にすばらしいけど、言及しません)のあとに、マイルス・デイビスメトロノーム・オールスターズの録音が2曲だけ収録されており、そこにゲッツが参加している。おそらく当初の発売はSPだったのでしょう。

しかし、メンバーが、マイルスに加えて、カイ・ウインディング、リー・コニッツ、サージ・チャロフ、ビリー・バウアー、ジョージ・シアリング、テリー・ギブス、マックス・ローチなど錚々たる面々。それを録音可能時間が短いSPでどうやってまとめるんだろう、と思いきや、「Early Spring」のほうは基本的に1人8小節でどんどん交換w すごい荒業で笑ってしまう。それでも大物とみなされている人は16小節もらえるようで、シアリングやゲッツはそっちです。ちなみにこの曲名とゲッツという組み合わせはなんだか笑えますね。今度は「秋」でなく「春」か、と。

もう1曲、「Local 802 Blues」は、これもSP片面に強引にすごいメンバーのソロを詰め込む。当然時間が足りないので、基本的に大物は1コーラス、そうでない人は2人同時ソロという、これまた強引な方法。それはいいけど、さすがにカイと一緒にドラムのローチがソロ取っているのがかわいそうで、かなり笑えます。

ところでコンピCDのタイトルが「Birth Of The Cool Vol.2」というわりには、ロジャースやマリガンのコンボの演奏は1953年でけっこうホット。それに比べてゲッツ参加の2曲は1951年の録音で、メンバーから見てもみんなクールな演奏をしており、本物のクールジャズが聴けると思います。

Birth of the Cool Vol. 2

Birth of the Cool Vol. 2