スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

I Wanna Play For You /Stanley Clarke

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これ、かなり好きなんですよ。1曲だけゲッツが参加。ベースのスラップによる西海岸AOR風イントロで、ポップなボーカルナンバーが始まる。広大なアメリカ大陸が目の前に見えてきます。スラップベースにひたっていると・・・ん?なんともいえない音色の楽器が。あ、これがゲッツ!?

ゲッツとフュージョンの相性は決して悪くないはず。マイケル・ブレッカーのようなスタイルだけがフュージョン向きなのではなく、ゲッツのようなプレイ、音色もそれはそれで合う。実際ゲッツ生涯のフュージョン録音はどれもすばらしい出来だと思う。それなのに、ここでの違和感のようなものは何なのだろう。録音の関係なのかスラップとの相性のせいか、なれるまではどうしてもゲッツの音色がシンセのように聴こえてしまっていた。いえ、決して悪いわけではなく、むしろこの違和感がおもしろく、キワモノゲッツという点でも上位に食い込む大好きなテイクです。その他のゲッツのフュージョン作品やロックへの客演などとも聴き比べるとさらにおもしろい。

パーソネルを見るとリー・リトナー、ハービー・メイソンとの共演らしいんだけど、ホントかな?

やっぱりこれも、ゲッツファンなら「この1曲のためだけに買ってもいいアルバム」です。というか、そんなマニア向けということでなく、単純に良いです。ただ典型的なフュージョンサックスでなければスラップには合わないのかな?というだけ。繰り返しますが、私はこのテイク、かなりかなり好きです。

I Wanna Play for You

I Wanna Play for You