スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

The dolphin

ザ・ドルフィン

私が好きなゲッツのアルバムではベスト3に入ります。

「ゲッツがそれまでのヒット狙いをやめて、原点回帰したアルバム」といわれていて、実際そのとおりだと思う(このあともポップなフュージョンを数枚録音しているけど)。

1曲目の「The dolphin」の美しさといったら、言葉にできない。「ピアニストがルー・レヴィでなければもっと良かった」といった人もいたけどね。このテイクのほかに、ウディ・ハーマン楽団との演奏や映像作品でも「The dolphin」を演奏しているけど、やっぱりこれが最高。

2曲目「A time for love」もゲッツにしかできない美しさが現れている。この曲、低くすると無粋になるし高くすると情緒がなくなるし、ゲッツじゃないとこのキーでは演奏できない。ゲッツの後年のバラード演奏は、最後にテーマに戻らずにピアノソロがそのままリタルダントして終わるという形式が基本だけど、ここでもそのパターンが聴けます。バラード演奏の形式として、これは参考にすべきものだと思いますね。

「The night has a thousand eyes」では派手ではないものの名人芸的に多彩さを見せるヴィクター・ルイスのドラムが素晴らしい。

最後の曲「Close enough for love」、日本人好みの曲だけど、それまでの5曲に比べればどうでもいい、なんだか受け狙いという感じ。そういえるほど5曲目までが素晴らしい。いえ、この曲も良いんですけどね。

 

ザ・ドルフィン

ザ・ドルフィン

 

Stan Getz and the Oscar Peterson Trio

 

STAN GETZ AND THE OSCAR PETERSON TR

オスカー・ピーターソンのトリオはエド・シグペン参加以降の方が好きなので、このドラムレストリオとの共演はまったく期待していなかった。ところが、大間違い。とんでもなくスイングするのだ。ゲッツも名フレーズの洪水。生涯のベストの1枚といっても過言ではない。

 

モカンボ・セッションでもおなじみの「I Want To Be Happy」からぐいぐいと引っ張る、それをピーターソンが受けて飛ばしまくる。ストーリーヴィルで奇跡的名演をした「Pennies From Heaven」も、やや落ち着きながら絶妙なソロをとる。バラードメドレーはゲッツの番が2回あるのがうれしい。

またまたゲッツ名義「Tour's End」は、テーマなしの「Sweet Geogia Brown」で、作曲ではないw ラストの「Bronx Blues」もゲッツ作曲となっているけどリフはないし、何よりいきなりハーブ・エリスお得意のどブルースが始まるわけで、これは単にエリス主導でブルースを演奏して、ゲッツ名義でタイトルをつけただけでしょう。

 

CDでは4曲追加なんだけど、これがどれも落とせない、レコード収録曲と遜色がない。どうせだったら「at the shrine」のようにもう少し録音して2枚組にすればよかったのに。

Stan Getz & the Oscar Peterson Trio

Stan Getz & the Oscar Peterson Trio

 

Birdland Sessions 1952

音質の悪さはゲッツのブートレグの中でもトップクラスwだけど、プレイ内容は最高。冒頭の「Woody 'n you」インコンプリートテイクは、ゲッツの全録音の中でベストの1つだと思う。部分部分はいつものプレイ・いつものフレーズなのに、鬼気迫るというか。あ、曲順が変更になったバージョンも発売されているみたいです。

 

他の曲においても同様で、この頃の録音でなら聴き飽きた「Move」「The song is you」にもグイグイ引き込まれる。いい意味で機械のように完璧なタイム感覚と畳みかけるようなフレーズは、天才としか言いようがない。「Parker51」も粗さが目立つもののストーリーヴィルライブより秀逸。全体的に、内容は「Stan Getz plays」「Stan Getz quartets」「at storyville」を上回る。トータルでは最高傑作に近い、これで音質さえ良ければ・・・

 

それだけに、この頃のお約束、ギターをフィーチャーした「'round midnight」は、聴くたびにげんなりする。なんだなんだこれは。

 

Birdland Sessions 1952

Birdland Sessions 1952