スタン・ゲッツを聴く

スタン・ゲッツ ファンが勝手なことをいっているブログです。

Swiss Radio Days Jazz Series Vol.29

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この発掘音源が発売されたころって、同じような50年代末~60年の欧州ライブ録音の発掘音源がたくさん発表されていて、その中にはちょっと首をかしげるような内容のものもあった。さらに、もともと発売されている同様の北欧録音なんかとレパートリーも似通っているので、まったく期待してなかった。ゲッツファンのノルマ程度に考えていた。

 

ところが、このライブの数日前に録音されたデュッセルフドルフのライブと同様、いやこちらはそれ以上に予想を裏切った。ここでのゲッツは完璧すぎる。レパートリーもいつもと同じで、演奏も完璧だから特にここでいうことがない。とにかくすごい。それ以外いえない。

 

1曲目「Gone With The Wind」はゲッツによるイントロと少しラテンチックなアウトロを加えたアレンジで、これが原曲をうまく挟んでいい感じに仕上げている。ラストの「Pernod」はデュッセルドルフの方がまとまっているとは思う。テンポが走って、最後は強引にまとめている感じなんだけど、それがまたいかにもジャズのライブということで、リアルな記録としても価値がある。

このアルバムを買うことを躊躇している人がいたら、安心してください、「買い」ですよ。

SWISS RADIO DAYS JAZZ SERIES, VOL.29

SWISS RADIO DAYS JAZZ SERIES, VOL.29

 

1100 Bel Air Place /Julio Iglesias

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まさかフリオ・イグレシアスのアルバムに参加しているとは驚きました。「世界の恋人」のバックで。

 

ゲッツは「When I fall in love」に参加。ソロに関してはいうことなし。ただ、このテイク、バックの関係でそう聴こえてしまうのか、わざとそういうアレンジにしているのかわからないけど、原曲と1小節ずれて聴こえるんですよ。原曲は1拍休みでしょ、このテイクは「食っている」ように聴こえるんです。それがカッコいいなあと思っているけど。

 

1100 Bel Air Place

1100 Bel Air Place

 

At Carnegie Hall

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前半は「Stan Getz Plays」のメンバーでルースト時代のレパートリーなどを演奏していて、ちょっと不思議な感じ。1曲目「There Will Never Be Another You」でのゲッツは淡々としつつもエキサイティング。それなのに続くジミー・レイニーのソロがひどすぎる。そんなに弾かなくてもいいんだよ、と言いたい。「Strike Up The Band」でのクリスマスソング引用フレーズが季節的に大丈夫かなと思ったら、録音は11月14日。まあOKでしょう。

Chreokee」とあるのは当然ながら「Parker 51」です。「Chreokee」のリフが聴けるのかと期待したんだけど。

 

後半1949年のライブはいつものダサい「Always」から。原曲を好きなだけに、これはないなあといつも思う。

Long Island Sound」は短いながらもゲッツがガンガン吹きまくる。そういえばこの曲は誰の作曲なんだろう。これはゲッツだと言われてもそう思える。

ちなみにこっちは12月24日の録音。クリスマスソングの引用はないけど。

 

At Carnegie Hall

At Carnegie Hall